文栄さんの体験記 in 1996
ちょうど一年前インドへ単独で行く予定でしたが、インドでペストが発生し、行くのを見合わせました。一人で行こうとしていただけあって、よくインドのこと を調べていました。インドは事前に調べれば調べるほど不安材料が増えるのですが、案ずるより産むが安でよい結果に終わったようです
「今度インドへ来るときは、『柿の種』を持ってきてほしい。High Quality!」、マンダル医師の言葉に笑ってしまいました。とても楽しい旅行でした。次回は『柿の種』を持って、また伺いたいなという気持ちです。
病院の一つアウトドアクリニックの開かれる日、外来には300人もの患者さんが見えます。私の仕事は主に、皮膚病の消毒と軟膏を塗るこ と、ビタミン剤の筋肉注射をすることでした。注射をするに当たって言われたことは、「こちらの人は注射に慣れていないので、動くから、しっかり固定するよ うに」と言うことでした。私はカルテを見て注射をしますが、ベンガル人看護婦に薬品名を確認します。そのとき彼女が首を横に振ることがあります。ベンガル 人は、「Yes」の時首を横に振るのですが、私は不安になってもう一度聞き返してしまいました。
患者さんは多いのですが、診察がゆっくりなので、処置もゆっくり出来ます。現地の看護婦さんが私に処置をさせて、彼女は椅子に座って雑談 をしていることがありました。「処置は交互にしましょう。」と言っても、私にさせようとするので、私は自分がいることで彼女の仕事をとっているのではと心 配しました。
この疑問に対して医師は、「取ったのではない。ボランティアに入ってもらい、どういうふうに働くかを見ることにより刺激を受ける。インド人だけだと尻つぼみになる。一緒に働いてほしい。」と言われました。
その土地の状況にあった改善方法を見つけるのは、短期間ではわからないと思いました。今回は仕事を覚えるのと、「ん?」と疑問に思うのが精一杯でした。でも、工夫の余地はたくさんあって、レベルアップは可能だと感じました。
ベルギーからボランティアにいらしていたご夫妻のウィリーさんはインド製のズボンを、マリールイスさんはサリーに似たインド服を着て、自然に溶け込んでいらっしゃいました。
旅行中、量り売りのヨーグルトや屋台のミルクティー、一般の人が行く食堂で食事をしましたが、どれもおいしく体調を崩すことはありませんでした。
水はゲストハウスでフィルターに通したものをペットボトルに入れ持ち歩きます。インド人スタッフとまわし飲みをしたこともあります。
食事は、朝はパン、紅茶、果物、昼は診察が終わる3時過ぎにクラッカーと果物、夕食はカレーなどでした。自然にやせることが出来ます。
夕食では、ベルギーのマリールイスさんや、医師婦人のバーナリーさんが作ってくださり、一緒に食べました。お返しに、最終日は日本人3人 で料理を作りましたが、ほとんど国重さんにお世話になりました。(日頃していないとこんな時に恥をかきます!) とてもおいしかったです。
病院へ行く道を歩いていると、子供たちが「ハロー!」と声をかけてきます。言った後に喚声を上げたり、恥ずかしそうに隠れてしまう子もいて、とってもかわいいです。
英語と看護婦の実力を身につけて、また行きたいです。でも、英語が話せない私でも楽しませていただきました。一番良かったのは、これからの良い動機付けが出来たことです。
本当に楽しく、学ぶことの多い旅行でした。